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第20回 長野マラソン

 国内のマラソンの大会で、人気の高いところでいうと東京とかいろいろご当地のマラソンが全国各地あるようです。そんな中で、長野マラソンは応募受付からわずか1時間足らずでオンライン申込が完売するという人気の大会です。2016年でしたか、長野マラソンの応募受付開始の時刻にちょうど歯科の予約が入っており治療が終ってからでも間に合うだろうと思って帰宅してからPCで応募したらすでに売り切れ。人気の高さに驚いたことがありました。

 そんなわけで、長野マラソンは、自分にとっては敷居の高い大会でした。2016年の安曇野、2017年の松本と、信濃毎日新聞社関連のマラソンをふたつ走ったところで、そろそろ機も熟したかと思い満を持して申し込み。春のうららかな日差しの下、残雪の山を遠くに望み、ソメイヨシノと菜の花が咲く土手を走る。そんなイメージでした。

 4月14日土曜、私は高速バスで長野入りしました。途中の停留所から乗り込むと車内はランナーだらけ。あたかもバスの車内からすでにマラソン大会が始まっているかのようです。

 午後2時半ころ、定刻から30分ほど遅れてバスは長野駅に着きます。長野駅から前日受付場所のビックハットに向かいます。前日受付があるので参加ランナーは必然的に前泊することになります。長野駅近辺の宿が取れず上田で宿を取っていたのですが、長野市内の知人のご好意に甘えて、知人宅に泊めていただくことにします。

 土曜は、曇りでどうにか天気がもったのですが、試合当日の朝は朝から雨もよう。これまた知人の好意で、スタート地点まで送って頂くことに。大いに助かります。
 スタート地点は長野運動公園。最寄は北長野駅です。goo天気によると、2018年4月15日(日)の長野市は 最高気温14.3℃。最低気温10.1℃、雨。冷たい雨の中のレースとなりました。スタート直前まで体育館で雨をしのぎ、荷物預けの締め切り間際に荷物を預け、8時ころスタート地点に向かいます。

 そして8:30スタート。スタートはIブロックから。最前列から9番目のブロックです。公式記録を見ると、グロスとネットの差は5分。前年の第一回松本マラソンで8分待たされたことを考えればまあまあではないでしょうか。ランナー用のビニールカッパをかぶり、そろそろと走り始めます。雨は小降りになりましたが、相変わらずしとしとと降り続いています。コースは大づかみにみると長野市の北東部から南東部に向かうコースです。ゴールは篠ノ井の南長野運動公園。

 権堂から大門、長野駅前に向かう下り。ランナーが列をなして下っていきます。晴れていればなあ・・なんて天気をうらんでも何も始まりません。ひたすら前に進むのみ。このとおりは善光寺に通じる通りなんですが・・雨で水たまりをよけたりするのに必死で、コースを楽しんでいる余裕がありません。松本マラソン(松本城)といい、信濃毎日新聞社の大会は前半に観光名所を組み込むコース設定が好きなような気がします。
10km。前日受付のビックハットの前を通過。

 マラソンは30km地点が本当のスタート、といいます。30km地点までどうにか体力を温存してたどりつきたい。それをずっと意識して走ります。ペースはキロ6分前後で推移します。このペースなら30kmまで足がもつのではと思いました。エムウエーブ。17.3km地点。だんだん雨がやんできます。20km、五輪大橋。この登りが少しこたえます。このところの走りこみ不足のせいか、後半まで体力が持たない感じがします。25km、ホワイトリング。その先の更埴橋からコースは千曲川に沿って南西方向に向かいます。10kmごとに腰のポケットに入れたゼリー状の栄養食品を摂ります。空腹というより、やはり走力不足。最後まで持つのか不安がよぎります。

 30km、上高相。このあたりから松代地区に入ります。前日試走させてもらった上信越道沿いの道を進みます。どうにかペースは6分台前半を保っていますが、どこまで持つか。天気は雨が上がり、晴れ間も見えてきました。千曲川沿いを下っているときは気がつかなかったのですが、実はこのときは追い風だったのです。追い風に乗ってどうにかペースを維持していただけ、ということに気がつくのは、川を渡って35kmを過ぎてからです。
 
 34.1km地点の近くに打ち合わせどおり知人が待機してくれておりました。カッパを脱いで渡します。雨が上がり、気温もやや上がって暑く感じたからです。もうこの時点でかなりよれよれの状態でした。

 そして岩野橋を渡り、35km地点を過ぎると、今まで下ってきた千曲川をこんどは遡上するように右岸を上流に向かって走ります。このとき、強い東の風を感じました。そうです。今の今まで対岸を下っていたときは追い風で、こんどはかなり強めの向かい風。しかも冷たい東風です。半袖シャツ(アンダーシャツに重ね着)に、アームウオーマ、短パンという服装では身体が冷え切ります。それより何より精神的にこたえます。あと残りわずか7kmではあるのですが・・。

 この向かい風の区間では7分台後半までペースが落ちます。そして38.8kmの地点で川沿いの道から離れ、冷たい東よりの風もやみほっと一息。しかし向かい風区間でのダメージが大きく、7分台からペースが上がりません。ゴール地点の運動公園に向かう広い道路は風もなく、雨も上がって穏やかな気候でしたが、もう脚が売り切れています。

(写真はゴールのあと、完走賞のタオルとメダルをかけてもらい、自撮り)

 40km地点、あと2kmとちょっと。脚の痛みを覚え、道端で屈伸をしていたら、応援の方がコールドスプレーを貸してくださいました。涙がでるほどうれしかった。お礼を述べ先を急ぎます。あと少しです。
 そしてスタジアムに入り、ゴール。記録4時間41分45秒。参考のネットタイムは4時間36分22秒。
実は、この試合のあと、かかりつけ医で、ランナー貧血と診断されたのですが、そのときはそんなことにはまったく気づいていませんでした。なんだか調子悪いなあ。長い走り込みができないなあ、力が入らないなぁとは思っていましたが。いずれにしても課題満載の試合となりました。

2020年8月23日追記。
高橋尚子さんがスペシャルゲストで参加されていました。下記新聞記事は、信濃毎日新聞 2018年4月14日 第20回記念長野マラソン広告特集1面から引用しました。