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1985年12月 茶臼山

メモ:
同じ年の11月に一度登ろうとして、疲労と時間切れで山頂に到達できなかった山に再挑戦。
和田峠のスキー場が開き、国鉄バスが東餅屋まで入るのでアプローチは前回より短縮。
しかしカンジキなどの雪上歩行用具を持参しなかったため、今度ツボ足で踏み跡のない雪の上を歩くことになり、予想外に時間を浪費。

8本爪のアイゼンなんか持っていたが、凍っていないから意味がない。この状況で持つならカンジキ。(かスノーシュー)。

天気もよく、稜線伝いで道に迷う心配はなかったが、風が強い。西風(ほぼ向かい風)が常に吹き続け、体力の消耗に拍車をかける。
思わぬ場所の想定外のラッセル歩行で疲労困憊。扉峠には昼には着くはずが、すでに午後15時。
秋冬の山ではそろそろ行動をやめる時刻である。3時間のビハインド。エスケープルートはない。ビバークか?しかしツェルトさえ持ってない。雪洞を掘ってエマージェンシーブランケットでも被って、朝を待つか。2000mの山とはいえ、12月、氷点下何度になるかわからない。遭難の二文字が頭をよぎる。

幸い、体力はある。歩けば麓には着くだろう。圧雪された車道(今のアザレアライン、扉峠から市内へ下る道)を下れれば三城まで行けるかも・・
と思って歩いていると、幸運にも雪道ドライブを楽しんでいた地元の方が、声を掛けて下さった。 「乗ってお行きなさい。お疲れのようですから。」

おかげさまで三城から駅までの最終バスに間に合った。

なんという幸運だろう。
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